初恋
皆さーん、恋してますか?!
恋って良いですよね。初恋なら、なおさら。
それが悲恋に終わったとしても、生涯忘れ得ぬ思い出になるから。
私の好きな作家の川端康成にも、もちろん初恋がありました!結論、この恋は儚くも悲恋に終わってしまったのですが、川端文学への計り知れない転機となり、果てはノーベル文学賞作家まで導いていきました。
伊藤初代
康成、初恋の女性は伊藤初代さんという御方でした。そして康成は何と!初代さんと婚約までしていました。でも最後は婚約破棄されてしまって、これもう失意のドン底ですよね。初恋はまあ、苦いもんですねだいだい。けれど、これはつらすぎるでしょう!
そもそも、康成と初代さんの出会いは東京でした。おそらく一目惚れしたんじゃないかなあと私は思っています。後に訳あって、初代さんが岐阜に引っ越すことになり、康成は岐阜まで追いかける形となりました。
出た、遠距離恋愛!すごいぞ、康成。私は無理なタイプです。
岐阜
康成は初代さんと会うため岐阜に何度かやって来ていますが、その追憶から自伝的小説ともいえる作品を出しています。
- 篝火
- 非常
- 南方の火
以上の作品は、謂わゆる「ちよ物」と呼ばれていて、初代さんとの思い出の塊なんだと思います。
このデジタルアートは篝火からの一節をもとに作りました。「みち子」という名前がアートの中に見えると思いますが、この女性が、初代さんに相当します。
背景となっているのは、ぎふ長良川の川原町という古い町並みの中にあるcafe&gallery川原町屋さんの裏手です。裏手までとても和モダンですねー!
康成と初代さんとの物語に出てくる岐阜には、この他にも、川端文学へも思いを馳せることのできる素敵な場所がたくさんあります!
康成が初代さんに会うときに泊まった、ゆかりの宿、長良川温泉ホテルパーク今もなお続いています。そして、嬉しいことに「篝火の像」なんていうものが数年前に出来ました。若き日の康成と初代さんが、ぎふ長良川鵜飼の鵜飼舟の篝火を眺めているという像です。
川端文学を辿ってみたい!という御方は是非、岐阜にどうぞ!
<以下、2022年3月16日加筆>
東京都目黒区の日本近代文学館にて、2022年4月2日〜6月11日まで開催する特別展『川端康成展 人を愛し、人に愛された人』で、篝火の草稿を初公開するようです。
本草稿は、かなりの推敲を施しているらしく、心の機微までも投影したいという思いがあったのだろうと感じます。

川端康成初恋小説集 (新潮文庫) [ 川端康成 ]
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