おばけのマールとモーニングのあとで
こんにちは、monachan_papa です。
今回は愛知県にある一宮市三岸節子記念美術館と、おばけのマールという可愛らしい絵本の紹介をしたいと思います。
この美術館へは去年の7月に子供を連れて行ってきました。そして、絵本についてはその当日、美術館で get してきました。
一宮市三岸節子記念美術館
一宮市三岸節子記念美術館は、愛知県一宮市にある美術館です。
日本の女性洋画家である三岸節子氏を讃える美術館といったところでしょうか。(以下敬称略)
三岸節子の生涯
三岸節子は戦前・戦後の女性画家の地位向上に尽力されたとても力強くてたくましい女性でした。当時の画壇はまだまだ男社会であり、その逆境に飛び込んで行った生涯だったと言えます。
そして、旦那さんもいらしゃいましたが、早くに病気で亡くされてしまい、3人ものご子息を女手一つで育て上げたという……。
この旦那さんというのが、同じく洋画家であった三岸好太郎氏になります。
美術館は三岸節子の生家跡に建てられているのですが、美術館の随所に三岸節子に関連したデザインが施されています。三岸家の家業であった織物工場をイメージする鋸屋根、家の土蔵を改修した土蔵展示室、ベネチアをイメージした水路など。(三岸節子はイタリアを中心とした海外の風景画をよく描いています。)
自画像
ここで一点、三岸節子の作品を。
三岸節子(1905~1999)大正14年/1925年油彩・キャンバス30.5×22.0cm一宮市三岸節子記念美術館 収蔵
春陽会第3回展に出品し、入選した作品です。三岸節子が二十歳のときになります。
二十歳のあどけなさも微かに感じられます。しかし、この鋭い眼光にはこれから並大抵ではいかぬであろう画壇人生に、決して屈することはしないという矜持が溢れています。静かな青い炎のように。
ところで、この自画像は一宮市三岸節子記念美術館の公式マスコットキャラクターである「せっちゃん」のベースになっています。
おばけのマール
おばけのマールは、三岸節子の旦那さんである三岸好太郎の故郷、札幌を舞台にした絵本になります。いわゆるご当地本です。
円山動物園、雪まつりなど、札幌のあちこちを主人公のマールが飛び回ります。
イラストレーターのなかいれい氏、絵本作家のけーたろう氏により描かれるこの絵本はシリーズ化されており、札幌の子供たちの間で絶大な人気を誇ります。
本作品は、北海道立三岸好太郎美術館が舞台になったこともありそれが縁で昨年、ついにマールが札幌を飛び出した新作が生まれました。
飛び出した先は、三岸節子の出身である一宮市。
おばけのマールとモーニングのあとで
新作のタイトルは、『おばけのマールとモーニングのあとで』
おばけのマールとモーニングのあとで
私は一宮市三岸節子記念美術館にて、これを get しました。
開催中であった「さっぽろからやってきた!ぼく おばけのマール 絵本原画展」にて、直接購入いたしました。
子供にはもう何回も読んであげました。
どんな内容かと言うと、愛知県一宮市にある有名な場所の数々がこれでもか、と登場します。普段、私が子供とよく行く場所ももちろん登場していました。
絵本を get した数日後、絵本を携えてそのご当地を、子供と巡るなんてこともしました。絵本をその目の前で開きながら、
ほれ、ここやで!
なんて言いながら。
ネタバレになるので多くは書けないのですが、作中に三岸節子が登場します。
何もかも包み込むような優しさ
三岸節子のあの自画像と、おばけのマールに登場する三岸節子。
両者を見ていると、何もかも包み込むような優しさがありました。
弱冠、二十歳であったあの頃から色々なことがあって、それは好太郎の死であったり、画家人生での到底数え切れぬであろういくつもの試練。
みなぎる生命力をもって生きてきたからこその。
と、まあ大人になると、こんな見方もできてしましまいました。
とは言え、作中の三岸節子が発するあの名台詞を子供たちと真似しあって、よく言ってます。
おばけのマール、可愛らしくて心温まる物語。
おばけのマールとモーニングのあとで
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